20代女子と語る、バンドファンとJリーグサポーターの共通点どうもお世話になっております。ジェフ千葉サポーターのINUUNITED(@inuunited)です。
先日女子会をしたとき『全くサッカーに興味のない20代女子』お二人にサッカーとJリーグについて伺ってみたエントリーの続編でございますよ。バンドファンとJリーグのサポーターの共通点について話が盛り上がったので載せてみます。
こちらに登場したさとにわさんはACIDMANの武道館ライブに行っちゃったのでよしおかさんと犬が二人で喋ったインタビューになります。どうぞー
(追記:文中で指すバンドはいわゆる『下北系・ロキノン系インディーズバンド』のことです。その他ジャンルのバンドとはまた違う部分があると思いますのでご了承ください)
登場人物
よしおかさん。20代。東京都出身。大田区在住。音楽業界勤務。
犬。4歳。千葉県出身。住所不定。無職。
『アマチュア時代からの熱心なファン』と『コアサポ』
どの界隈のファンコミュニティも似たようなところはあると思うんだけど、特にバンドファンとJリーグサポーターの共通点っていうのがたくさんあるんじゃないかなーと思ってるのね。今まで関った中で印象的なバンドファンっている?
私が担当してたバンドで、日本中どこのライブでも必ずいるって感じの熱心なファンの人がいた。
バンドがネットラジオを普段は夜にやってたんだけど、学生向けに夕方やってみようってときがあったの。そしたらそのファンの人がツイッターとかミクシィとかですごく怒って。
「みんなそんな時間に聴けるわけないでしょー!」って。その人は社会人だから聴けないかもしれないけど、逆に夜だと聴けない人もいるわけで……
自分が聴けないのが腹立つのはわかるけど、「みんなが」って一般化されるとバンドの都合としては困るなーって思った。その人はずっと前から本当熱心に応援してくれてたし、他のファンの人からもちょっと敬われてるみたいな感じだったんだけど、そういう言動が増えていって反発する人も結構目立つようになっちゃったなあ。
古参ファンがでかいツラしちゃう典型的なパターンだねー。その人の応援する熱意はとても素晴らしいんだけど、その思いが大きすぎて「バンドのため」と「自分のため」のバランスがわかんなくなっちゃうのかな。
バンドが大きくなって新規のお客さんが入れ替わっていくとその人を直接知らない人も増えるし、うまくファン同士でコミュニケーション取っていかないと軋轢生まれるよねえ。
その人が嫌いだからもうライブ行かない!ってお客さんが出てきたらどうしてくれるんだよ~って思ったなあ。意見を言ってくれること自体はありがたいことだし、個人の不満を押し殺せってことでもないけど、周りに持ち上げられちゃってた感じもあってさ。
「○○さんは(バンド名)の一番のファンなんだから、ファンみんなの意見を代弁してください!」みたいな。それで本人もその気になってお局様的なポジションになっちゃったんだよねー。初期のお客さん何十人とかの規模だったらまだ大丈夫だったんだけど、3ケタになってくると厳しかった。1番熱心に応援してくれる人が1番扱いづらいお客さんになっちゃうっていうのは悲しかった。
人数が増えるとどうしてもそうなっていくんだな~。Jリーグでも基本的に、コアサポって呼ばれてる熱心なサポーターはライトなサポーターからは嫌われてることが多いもん。それぞれ直接きちんと話せばほとんどの人がいい人だと思うんだけどさ。
昔からのファンの人でも、ライブのあとメンバーに話しかけるわけでもなくスッと帰っちゃうしネットでも全然書き込みとかしないって人もいるし、古参が全員厄介ってことではないんだけど、メジャー行ってからのファンはわかってないわ~とか言う人もいるからなー。
単純な暦の古い新しいだけではないよね。サポーターコミュニティでも、地域リーグ、JFL、J3~J1とカテゴリが上がるにつれて殺伐としていく傾向があって。それは単純に観客数が増えるってこともそうだし、クラブにいろんなしがらみとか上を目指さないといけない、勝たないといけないプレッシャーがかかっていくってこともそう。バンドもアマチュア時代は自由にやってればいいけど、インディーズ、メジャーと上がっていくと縛りが増えるもんね。ファンについての話だから脱線しそうだけど。
でも、もちろん熱心に応援してくれてる人のおかげでバンドが人気になっていくんだけどね。
プラスの影響よりマイナスの影響のほうが目に付くしわかりやすいもんなあ。ありがたいことはありがたい、ありがたくないことはありがたくないって伝えられればいいんだけどね。
ライブハウスとスタジアムの共通点
私はライブ観に行くとき前のほうに行くことはほとんどなくて、バンドの好き嫌いとかジャンルに関係なく後ろのほうでゆったり観るのね。それは前で盛り上がるのが好きか後ろでしっかり聴くのが好きかっていう話だと思うんだけど。
でも、後ろで観てても前のほうが盛り上がってないとちょっと寂しいというか。さっき話した古参ファンの人みたいな熱心なファンが前で手を振り上げて盛り上がってる様子は、ライブハウス全体に良いムードを作ってくれるからありがたいな~と思う。バンドもお客さんが盛り上がってくれれば触発されて良いライブするもんだしね。高めあう的な。
ほんとだね~。前のほうが盛り上がってないと「あれ、結構良いバンドだと思うんだけど、みんなそうは思ってないのかな……」って思っちゃったりすることある。私の知り合いのアマチュアバンドマンも
「ガラガラのライブハウスではライブしたくない……つらい……欲を言えば棒立ちじゃなくて体を揺らしたりサビで腕振り上げてくれたら嬉しい……」って言ってた。
この辺も共通点だねー。スタジアムでめちゃめちゃジャンプしまくって声張り上げて応援しまくるのが好きな人もいれば、座ってゆったり観たい人もいる。でも盛り上がってる集団がいないと寂しいっていう。観客の盛り上がりに応じて選手が奮起するのもそうだし、良いプレーで観客が盛り上がるっていう循環も同じ。どんな興行でもそうだろうけど、お客さんが多くて盛り上がってるほうが演者や選手もテンション上がるし、お客さん側としてもテンション上がるよね。
ガラガラのライブハウスでライブ観たくないのはこっちもそうだよ~。フロアに5人とかでさ、バンドに「全員手拍子するまでやめねーぞ!」とかやられるとホント帰りたくなる(笑)勘弁してよって。。盛り上がりたい人は盛り上がればいいけど、私は後ろでゆっくり観たいんだー。
ダメアマチュアバンドあるあるの1つだね(笑)「名前だけでも覚えて帰ってください」みたいな。
まあ、新規ファン・サポーターを増やしていくのに既存ファンの振る舞いというか、そういうのは重要な要素であることは間違いないよね。ライブハウスにおけるバンド、スタジアムにおける選手よりも自分の近くにいるのは他のお客さんじゃん。良いライブをしてくれるか、良いプレーをしてくれるかは一番重要だけど、隣の人が野次ひどいとか嫌な思いすることがあるとバンド自体、クラブ自体を嫌いになっちゃうケースはよく聞く話だね。逆にすごく良いムード作ってくれる人がいたら好きになるだろうし。
ライブの場合後ろの人に合唱されるとホント嫌だーお前の歌を聴きに来たんじゃねーよ!って(笑)
ライブだとどのエリアでも合唱厨は嫌われるけど、Jリーグだと熱心に応援するゾーンではずっとみんなで歌ってるからそれはいいことなんだよなー(笑)周りみんな座って静かに観てる人たちのエリアでは大声で歌ってたら嫌がられるケースもあるだろうけど。クラブにもよるけど、多分そういう人の方が多いし。
熱心に応援するゾーンはライブハウスの前方エリアと同じ感じなんだけど、”盛り上がらないといけない”場所っていうわけじゃなくて”盛り上がりたい人が行くとスムーズ”な場所なのかなと思ったりするわ。そこで「旗振られると見えないんでやめてください」って言われたり「押さないでください」って言われたりするケースがあるのも似てる気がする。
「わしが育てた」と「擬似恋愛感情」
だんだんバンドが大きくなっていくプロセスを一緒に感じられるのがアマチュア~インディーズバンドの大きな魅力だよね。高いクオリティだけ求めるならすでに有名なバンドのほうが良いに決まってるし。自分が育てたいっていうか。
そうだね。例の古参ファンの人は「私はバンドが売れてくれればそれでいい」ってよく言ってるもん。お母さんみたいだなって思う。でもその人は多分ボーカルのことが好きなんだけど(笑)
またあるあるだなあ(笑)でもアマチュアバンド界隈では親心と恋愛感情が同居してるファンが結構多いよね。このバンドは絶対良いバンドだから応援したい、手助けしたいっていう気持ちがありつつ、あわよくばメンバーと付き合いたいという。どっちが先に来るかは人それぞれだけど、お互いに助長させ合う傾向が強い感情な気もする。
多分ボーカルのこと好きなファンとボーカルの彼女が普通に喋ってるの見るとちょっとヒヤヒヤしたりする(笑)知ってるのかな?って。サポーターの人はそういうのないの?
アマチュアバンドと違って実際付き合える率は低いからなー……でも女性サポーターの中には結構いるはずよ。本気の恋愛感情じゃなくて擬似恋愛感情ってやつが多いだろうけど。楽しむための一要素として良いことだと思う。あまりに過度じゃなければ選手も嬉しいだろうし。まあ、バンド界隈に比べたら健康的な、ピュアな感じ。
下部組織からの生え抜き選手とかずっと在籍してる選手に対しては愛着も湧くし、あんまり試合に出られない頃から応援してる人にとっては親みたいな心境になったりもするだろうねー。
「ニワカ層」「ウェイ勢」は悪なのか?
この前スタジアムで印象的なグループを見たの。結構熱心な感じで応援するエリアに今風の兄ちゃんたちがいてさ、ちょっとおちゃらけた感じなのよ。みんな頭の上で手拍子するときに阿波踊りみたいなことしてたりね。なんだこいつらってちょっとイラっとしたんだけど、よくよく観察してると応援歌の歌詞もわかってるし、曲の展開とかも知ってるわけ。結構スタジアム慣れしてて、その上でこういう人たちなんだなと。
何よりめちゃくちゃ楽しそうなのよ。多分スタジアムで1番楽しんでたんじゃないかな。試合終わったあと売店でくじ引きして盛り上がってたりさ。それで「あー、初観戦のニワカが調子に乗りやがって~とか思って、自分が古参のお局様になりかけてんじゃん」って思った。観戦慣れしてようがしてまいが、楽しむこと自体は興行において絶対的な正義だし。
そういうのはバンド界隈のほうがすごいかもねー。ライブで初期の曲やって全然盛り上がらないと「ニワカが!ちゃんと曲覚えとけよ!」って古参が怒るみたいな。
まあどこでもある話なんだろうね。周りの空気壊すのは良くないことだけど、うまく住み分けたり馴染んだりしてもらうのに苦心するのも宿命かなー。ライブでもスタジアムでもマスゲーム的な動きや合唱とかが1つの魅力だから、個人の楽しみ方とうまいこと融合できれば最強なんだけど。
一体感ってやつだよね。同じバンドの同じ演奏でも、満員で盛り上がってるライブハウスと満員だけど盛り上がってないライブハウスと自分1人のライブハウスだったらだんだん魅力は少なくなっていくと思う。もちろん自分1人だったらレアリティがあるから別の魅力があるけどさ(笑)
同じものを好きな人と気持ちを共有するのが今の時代のコンテンツの価値の1つだもんね。現場での一体感もそうだし、SNSとかでもそう。バンドだったらライブから次のライブやCDリリースまで、Jリーグだったら試合から次の試合まで、友達とメールやLINEしたりツイッターでハッシュタグつけてツイートしたりして好きなものを共有することで継続して楽しめるって思う。そこまで含めてチケット代に入ってるんじゃね?っていう。
純粋にコンテンツそのものを楽しんでる人もいるけど、今時そういう人の方が多いかもね。何かのきっかけでネットでバズれば宣伝効果もあるし、常にファン同士で交流して話題にしててもらいたいって気持ちはバンド運営側としてはある。
そういう意味では、ニワカ層っていうかライト層の人たちやウェイ勢の人たちもネットで騒げるようなネタを提供できるといいんだろうね。
そして女子会は終わる
ここからはカフェから見える道路をずっとリムジンタクシーが走っててそれに夢中だったり、「なぜ売れないバンドはクソ検索しづらいバンド名に改名してしまうのか」についてブチ切れたりしてました。(この理由をご存知の方は教えてください)
インタビュー形式で書くのは難しいっすなあ……でもいくつも興味深い話ができたと思います。ライト層、中間層、コア層(いわゆるコアサポではなく、熱心なファンの層)が対立しがちなのはどの界隈でもそうでしょうな。この区分だと多分私もジェフサポのコア層にカテゴライズされると思うのですが、ライト層には(自分の感覚として)過剰に優しく接するくらいでちょうどいいのかなーと思ったり。
だって新規で入ってきてくれる人いなかったら観客動員減る一方だし、ライト層がのめり込んでコア層になってくれないと、盛り上がりが薄まっていって結局自分が困るじゃーんっていう。単純に一緒に盛り上がれる仲間が増えたら楽しいし、うまいことやっていきましょうぜって思いましたー。まだまだバンドファンとJリーグサポーターの共通点って多いと思うので誰か考察してください。あとは任せた!
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コメント
よしおかさん、性格悪い、なぜ全てにおいて上から目線?
そしてよしおかさんにとって、ファン=女性なんだよね。
男ファンいないような色恋営業専門のバンドしか担当出来てないの?
女の敵は女だってよくわかる見本だね。
by 匿名 2016年2月15日 22時54分
>匿名さん
コメントありがとうございます。えーと、どこから突っ込めばいいのか笑
とりあえず面白いのでこのまま残しておきますね。
by INUUNITED管理人 2016年2月16日 01時44分